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魔法少女リリカルなのはStrikers ダメ人間の覚悟

makeさん

第63話 姉妹と母娘

2026-08-29 20:33:00 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:63   閲覧ユーザー数:59

 

 

フェイト Side

 

 

 

 

フェイト「貴方達が…………お前達がぁぁぁぁ!!!??」

 

 

 

 

とある地下施設………………ミッドの地下研究所で私は声を張り上げる。

 

 

 

 

フェイト「絶対に…………絶対に許さない!!」

 

 

アリシア「………………………」

 

 

傍らにいて沈黙している姉さんもいるというのに、執務官である事を忘れるくらい、今の私は怒り心頭……エリオやキャロ…………なのは達も勿論、透に見せられないくらい今の私は怒っている。

 

 

 

 

………………………コレは今から十数分前に遡る。

 

 

 

~十数分前・地下研究所~

 

 

私と姉さんは数名の局員を連れミッドの地下にある研究所へと侵入した。

 

 

何でこんな所に来ているのかというと、ミッドに存在するジャミング装置及び『聖王のゆりかご』を覆うバリアを展開していると思われる装置が私達がいる施設に存在するというのをエメリッヒ博士から聞いたから。

 

 

しかも敵として投入されている大半はこの辺りから出現しているとの情報も。

 

 

ガジェット・ドローンに関しては『聖王のゆりかご』から投入されているけど、キメラやSシリーズ、それ以外の敵はこの研究所かららしい。

 

 

私と姉さんの隊は破壊及び機能停止する為に一緒に行動していた、途中シグナムと薫子はキメラやSシリーズと交戦、他の隊の人達も交戦している中私と姉さんは研究所の奥へと進む……………分断された感じは否めないけど。

 

 

アリシア「地下だからって思ってたけど、意外にも広大だね………………土地的にミッド丸々入るんじゃない?」

 

 

フェイト「だからアレだけ敵を投入出来るんじゃないかな?」

 

 

アリシア「それもあるだろうけど、たぶん…………やっぱりあった……………」

 

 

姉さんは何かを予想していたんだろう、進んでいる途中の部屋を発見し中を覗こうとすると中からキメラが襲い掛かってきた。

 

 

フェイト「姉さん!!」

 

 

私は素早く襲い掛かってきたキメラを排除すると、姉さんと一緒に残敵がいないか慎重に部屋を確認し入ってみた。

 

 

フェイト「…………中は……………特に何もない?いや、でもさっきのキメラは…………」

 

 

アリシア「別の研究所から転移してきたみたいだね」

 

 

フェイト「転移……………」

 

 

アリシア「さっきのは送られてきた時に偶々出遅れたのか、残っちゃってたんだね」

 

 

特にこれ以上調べることも無かったので再び奥へと進む。

 

 

アリシア「考えてみれば当たり前だよね?これだけ広大な研究所だからって、置くキメラの数にだって限りはあるし…………そりゃここの研究所を埋め尽くす位なら話は別だろうけど、それだと研究所っていうよりただの多頭飼育小屋だよね」

 

 

フェイト「ココの研究所に置かれていた敵は出払ったとなれば……………」

 

 

アリシア「次々と送られてくるだろうねぇ」

 

 

それだと上にいる皆にも負担が…………それに避難所の方にも被害が広がってしまう……………。

 

 

フェイト「早いところ、機能停止させないと………………せめて転移だけでも止めないと」

 

 

アリシア「だね」

 

 

???「それは困るな」

 

 

突如進んでいた通路の奥の方から声が響く、私と姉さんは警戒しながら進むと一つの大きな部屋があった…どうやら終着点らしい。

 

 

中には数名の研究員とその研究員を守る様にいるキメラとSシリーズとガジェット・ドローン………………その後ろには巨大な電算機のような機械がズラリと並んでいる。

 

 

白衣の男「ようこそ我等の崇高な研究所へ、土足で踏み入ったのは………………有名で美しいと噂の双子姉妹の執務官殿じゃないか」

 

 

代表者なのか、演技掛かった態度で両腕を大きく広げ声高らかに言う……そんな噂立ってるんだ…………。

 

 

アリシア「嬉しい事言ってくれるね………そういう貴方はココの責任者、そして周りの人達は部下の研究員………………と見ていいのかな?」

 

 

白衣の男「如何にも」

 

 

意外にもアッサリ認めた…………とはいえ、誤魔化せる様な事でもないんだけど……………………。

 

 

フェイト「抵抗は無意味です!即刻機能を停止し、投降してください!抵抗するならば、武力行使も辞さないので!」

 

 

白衣の男「怖い怖い!…………しかし、運命とは随分と皮肉と思わんか?」

 

 

アリシア「何言ってんの?」

 

 

白衣の男「いやなに、私も君達……………というより………『機動六課』や他の部隊には物申したくね」

 

 

フェイト「そう言った事は後程取り調べで「『井上 透』」っ!?……………………何故彼の名が?」

 

 

白衣の男「それは当然だろ?君達はあの『マダラ』を捕らえたじゃないか?」

 

 

フェイト「『マダラ』と『井上 透』が何の関係が?」

 

 

白衣の男「隠さなくてもいいさ、コチラはもう知っている……………『暁のマダラ』は『井上 透』とね、そして彼は君達と同じ地球出身者とね………………………しかし、今捕まるわけにもいかんし、そもそもここには大切な物が保管されているのでね」

 

 

リーダー格の白衣を着た研究員が巨大な機械を見ながら言う。

 

 

 

 

 

白衣の男「せっかくあの男………………『マダラ』を被検体として寄生型の兵器や特殊なデバイスに質量兵器を装備・使用した時の実験データ、加えて『マダラ』………いや………………『井上 透』の身体データや遺伝子が保管されているんだ………………あまり暴れてほしくは無いんだがね」

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………………………………………………………………ハ?

 

 

 

 

 

白衣の男「まぁ今まで散々やりたい放題コチラを荒らしてくれたので、実験する前に少々痛めつけたやったが………………それでもアレだけ動ける逸材は他にはいないよ」

 

 

白衣の男「それに、井上夫妻にも『色々と』施してやったが………………むぅ………………………もう少し手を加えたくもあったな………………………」

 

 

私の中で色んな物の糸が切れた。

 

 

つまり…………………何?………………………この人達が……………コイツ等が………………透を痛めつけて…………………あんな変な物を取り付けて透を道具のようにして、私達と戦わせて………………………挙句の果てには透のお父さんとお母さんをあんな風にしたっていうの?

 

 

頭の中でグルグルと………………………そして感情がグチャグチャになっていく感覚。

 

 

フェイト「貴方達が…………お前達がぁぁぁぁ!!!??」

 

 

透はずっと頑張ってきた……………犯罪はダメなのは当たり前…………………でも、人はどうしても曲げられない事や我慢出来なくなった時、手を染めてしまう。

 

 

フェイト「彼を!!………………透をぉぉぉ!!!」

 

 

しかし、透は犯罪を犯す理由としては充分にあるし……………理解できる、執務官以前に管理局員として失格だってわかってるけど…………それでも透のやってきたことを否定する気にはなれない、その上透を利用し罪を擦り付ける彼等を…………………奴等を到底許せる筈が無かった。

 

 

フェイト「絶対に許さない!!”スッ……”っ!?邪魔しないで姉さん!!」

 

 

私がバルディッシュを強く握りしめ、憎い相手に狙いを定め駆け出そうとすると、隣にいた姉さんに手で遮られた。

 

 

アリシア「透はさぁ………………………本当にカッコイイよね?」

 

 

フェイト「………ハ?……………っ!」

 

 

突然何を言い出すのかと思い、少しキレ気味に反応してしまったけど、疑問に思った所為か冷静を取り戻しつつ姉さんに謝ろうとしたけど、当の本人の姉さんは特に気にした様子も無く淡々と話し続ける。

 

 

アリシア「小さい頃管理局とは関わりたくない!なんて言ってたけど、なんだかんだ言って私達やクロノ達に協力したりさぁ…………いつも前線に立って…………………」

 

 

アリシア「ビビりって公言してるクセして私達の為に体張って戦ってくれたり助けてくれたり、簡単に命なんか刈り取れるのに『無益な殺生はせぬ!』みたいにしてさ?他人の命は取らずにして…………ぶっきらぼうな言い方して被害にあった人たちを助けちゃったり、助けられなかった人には言葉には出さないけど、悲しんで泣いて懺悔して………………透は優しいよ、顔だけじゃなくて心もカッコイイし」

 

 

それは……………………確かに。

 

 

アリシア「だから……………そんな透に私は惚れたんだよねぇ………」

 

 

シレっと姉さんの口からトンデモ………ていうわけではないけど、もう透の彼女なんだから…………………私も////////

 

 

でも私はそういう思いとは別に、今の姉さんの危うさ……………というか危険性を感じていた。

 

 

歩いて喋りながら姉さんは自身のポニーテールとして結んでいたリボンを徐に解いていく……………………あ、コレは……………………ヤバいかも。

 

 

アリシア「……………………でもさぁ、そんな透がさ……………周りから蔑まれて…………………利用されて………………アレだけ身体中傷付けられて…………お父さんお母さんをあんな風にされて…………凄く可哀そうって……………他人事のようにだけど……………純粋にそう思っちゃったんだよね……………………確かに透は世間から見たら犯罪者かもしれない…………まぁ本当の犯罪者は別にいたわけだし、私達だって犯罪者とも言える………………あぁ………腹が立つを通り越して…………………悲しくなってくる」

 

 

ストレートになった姉さんは下を向きながら喋っていたけど、そんな姉さんの足が止まった…………そして脱力した感じにしていた頭をスッと上げる。

 

 

アリシア「お前等に私達の透を罵倒する権利なんか無いし、傷付けていい訳ない……………………というよりノウノウと息してんじゃねぇよクソ野郎共」

 

 

フェイト「(あぁ……………やっぱりブチギレしてる………)」

 

 

普段の姉さんはちゃらんぽらんな感じではあるけど、その怒りが頂点に達した時……………………口調が少し変わって…………過去に一度しか見たことが無い…………………母さんはおろか、なのは達や透すら知らない姉さんの性格。

 

 

昔透がいなくなったすぐ後、透を探す為に頑張ろうって決意してから私達は各々頑張ってはいたけど………それでも時々透を助けられなかった日を思い出し落ち込むときは何度かあった…………少なくとも私は割とあった。

 

 

沈んでいた私達は空元気でも学校では何でもない様に努めていたんだけど、ある日姉さんと一緒に帰ろうと思っていた日に先生から仕事を頼まれ、少しかかりそうだったから姉さんに先に帰ってもらおうと思ってそう伝えた、姉さんは了承して先に帰った…………だけど帰宅しようとした私は路地に姉さんと見知らぬ人が入って行くのが見えたので後を追った……………するとその人は小学生の頃から姉さんの事が好きで、いつも透と一緒にいたけど何故か透といなかったから声をかけようと少し強引に姉さんに迫ったようだった……悪いとは思いつつ聞き耳を立ててた私の耳に、その人が透を馬鹿にする声が聞こえてきた…………………我慢出来なくなり姉さんを助け且つその人に一言言おうと出て行こうとすると…………なんと姉さんが自分のリボンを自分で解き、雑なストレートヘアーの状態で俯き加減でその人のお腹にワンパン入れた………かと思って唖然としていると姉さんは無表情でその人をタコ殴りにしまくっていた。

 

 

慌てた私が何とか姉さんを羽交い締めにして正気を取り戻させた…………………後日その人は病院送りになり、転校したそうだった…………………なんか男の大事な部分が一部無くなったとかなんとか聞いたけど……………どういう意味だったのか未だに分からない。

 

 

白衣の男「…………………それが君の本性という訳かね、アリシア・テスタロッサ…………まぁどうでもいい、しかし我々は日頃からやっていることをただ行っていたに過ぎない、ソレの何が悪い?」

 

 

自らのしてきた事を全く悪びれる事が無い。

 

 

白衣の男「だが奴は今やお尋ね者、我々以上と言っても過言ではない、そんな奴を誰が受け入「関係無い」れ…………………」

 

 

 

アリシア「世界中が………管理局が………なのは達がはやて達が敵にナッテも!離れていっても!!………私だけは透の側にいる………………どんな事であろうとも………ね」

 

 

 

 

フェイト「待って姉さん」

 

 

アリシア「何フェイト………………お姉ちゃんの邪魔するの?」

 

 

私は姉さんに声を掛けながらその隣に立ちつつ、自分のツインテールとして縛っていたリボンを自分で解く。

 

 

フェイト「邪魔?………何言ってるの??……………ズルいよ姉さん………………………私にもさせてもらわないと……………折角皆いないのに………………………」

 

 

皆は私が良い子とか優しい女の子とか………………そういう目で見てたようだけど………本当は姉さん以上に重い女なんだよ?

 

 

あの日…………姉さんがボコボコにした男の子を見て………………………正直『ズルい』って思った………私って実は過激な女なんだなって後になって思った。

 

 

コレで………………………どちらが『アリシア・テスタロッサ』なのか『フェイト・テスタロッサ』なのかわからないよね………………………まぁ分かった所で意味無いんだけど。

 

 

アリシア「………………………フフフ♪流石我が妹♪………………狂ってるね♪」

 

 

 

 

 

 

アリシア?「さぁ……………どちらが…………『フェイト・テスタロッサ』で………………………」

 

 

フェイト?「どちらが『アリシア・テスタロッサ』なのか………………………わかるかな?」

 

 

 

 

研究員が腕を伸ばすと、控えていたキメラやSシリーズが一斉に私達に攻め込んで来た。

 

 

しかもそれだけじゃなく、自分の周りの研究員が苦しみだしたかと思ったら、次々と身体が割れたりして化け物の姿に変身…………いや変化していった。

 

 

フェイト「アレって……………………」

 

 

アリシア「透のお父さんとお母さんの変化に似てるね……………同じような事を自分の部下にするとか、流石性根が腐ってゲスいねぇ」

 

 

フェイト「そのクセ自分は高みの見物を決め込むように何もしない………………………」

 

 

アリシア「それで離れた位置で指示だけ出して透にカラミティやアハト、それにウルシを装着するのをニヤけ面で見ていた…………と」

 

 

テスタロッサ姉妹「「………………………」」

 

 

テスタロッサ姉妹「「ブッ殺ス」」

 

 

恐らく今の私の眼は周囲が言うほど綺麗な眼はしていないと思う、今の私の胸中……………心は酷く濁ってドロドロの負の感情に支配されている………………………恐らく姉さんも。

 

 

でも私はそれでもいいと思っている、自分の好きな人が悪く言うだけじゃなく、オモチャの様に扱われるなんて………………耐えられるはずがない。

 

 

襲い掛かるキメラ達を私は『バルディッシュ』を『ザンバーフォーム』へと切り替え、横一閃に薙ぎ払い、『ライオットフォーム』に切り替えて『瞬歩』を使ったスピードを活かし翻弄しつつ確実に数を減らしていく。

 

 

アリシア「『雷襄・乎琉墮(オルタ)』」

 

 

姉さんはデバイスと指を使いながら持ち前の魔力の緻密な操作で私を中心に誘導弾や雷を放ち私を援護、そして殲滅してくれる。

 

 

以前の私達ならここまでキレイに攻撃は決まらなかった………いや、決まりはするけどココまでスムーズには決まらない………単純に私達が強くなってるんだろうけど……。

 

 

原因は分かってる………………………透の『貸出』での『斬魄刀』を用いた戦闘をしてからだ。

 

 

私の場合、『斬月』……………それも『天鎖斬月』での戦闘のお陰か、以前以上に『月牙天衝』を『バルディッシュ』でも放ちやすくなったし…………なにより超スピードでの戦闘が格段にレベルアップしている。

 

 

かく言う姉さんの場合は、雷撃の運用法がもっと緻密になった。

 

 

母さんのような広範囲の雷撃を繰り出したかと思えば、単体に対してピンポイントの落雷…………もしくは『レールガン』のような高威力の砲撃を簡単にシフトしていけるようになっていた。

 

 

加えて透の『千本桜景義』のように手で雷球をいくつも操作しつつ、互いの雷球に雷撃を通し網状にしたり、くっつけて巨大化させたり、逆に巨大化させた雷球をいくつもの小さな雷球にバラけさせ操るなんて器用さも上がった

 

 

数は確実に減らしていくが、どうやら随時投入してキリが無かった……………私と姉さんはどちらかが言うでもなく、互いを見合わせ頷く……………そして互いが隣同士に一瞬並ぶと左手と右手を一瞬合わせ………また離れる。

 

 

ただ離れるだけじゃなく、お互いの魔力をくっつけてから。

 

 

アリシア「私が調整するから、思いっ切りやっちゃって!!」

 

 

姉さんが声を張り上げながら一緒に飛んでくれる、私の左手と姉さんの右手に”ビリビリ”と雷の線が生まれ、やがてそれは一本の線のように繋がる。

 

 

フェイト アリシア「「『雷伝』!!」」

 

 

透がさっき『アヴ・カムゥ』っていうのと戦う時に見せた技、その時透が言っていた『血縁者』というワードを聞いて私はもしかしたらって思った。

 

 

しかし、姉さんは私よりも早く試そうとしていたのか、自分の手を見つめながら何かを考えていたようだった………………………姉さんは私の視線に気づき、私達は頷いた。

 

 

やってみる価値はある……………と。

 

 

私と姉さんが繰り出した『雷伝』…………姉さん風に名付けると『姉妹雷伝』かな??何か中国風っぽいな。

 

 

とにかく、私達の『雷伝』は部屋の敵を一掃……………姿を変えられモンスターのように変貌した研究員の首も飛ばす。

 

 

その間、『雷伝』を展開している私達の後ろに新たなキメラが接近し攻撃してこようとしていたが、姉さんが腕を”ブンッ”と振り下ろすと同時に、それまで一本の線のような電撃の途中辺りから枝の様に突き出され、迫りくるキメラに向かい、その額を貫く………………『雷伝』を展開・維持しつつ、そこから新たに攻撃出来るようにするなんて………………………姉さん位だよ………こんな芸当が出来るの。

 

 

そして残るは白衣を着た男だけ………………………。

 

 

白衣の男「ふむ…………流石は執務官姉妹か……………コレではまだまだだな…………よし!私の負けだ、さっさと逮捕されよう「五月蝿い」……………ハ?」

 

 

白衣を着た男が言い終わる前に、姉さんはデバイスである『テスタ』を『ジャッジメント・フォーム』に切り替え、一本の鎌で白衣の男の横腹を貫き、そのまま雷を流し感電させる………声を上げるまでもなく………………恐らく死んだんだと思う。

 

 

姉さんはそのまま奥にある電算機のような機械に白衣の男をぶつけるように投げ込み、私はそこに『プラズマスマッシャー』を放ち………………………諸共焼き尽くす。

 

 

………………………何とも言いようのない感情が込み上げてくる………………………コレが人の命を奪うという事、透はコレと向き合ってるんだよね?

 

 

程なくして、シグナム達も合流し何とか敵の増援を食い止める事に成功し、私達も『聖王のゆりかご』へと向かった。

 

 

 

 

しかし少し気になる事があった……………白衣の男を刺し、止めを入れた時の姉さんの顔が………………。

 

 

 

 

少し…………ほうっと……………恍惚とした顔になったような。

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

透「コレで一掃する!」ダダダダダッ!!!

 

 

 

俺はガトリングガンでキメラ達をジャミング装置諸共破壊、周囲の警戒をしつつ感知を行ったが、辺りには敵らしいものや爆発物みたいな物も無かった。

 

 

一応一緒に戦っていた治安維持の為なのか、陸と空の部隊と共に戦闘をしていた……………が、もとより折り合いが悪いからか、『機動六課』のようにフレンドリーではなく互いを少し牽制し合っていたが、俺が睨むと借りてきた猫の様に静まり返った。

 

 

後処理と避難民の誘導などの引き継ぎ済ませると、オレとドゥーエとディードは次へと向かった。

 

 

途中、橋の上に差し掛かった所で俺は二人に声を掛ける。

 

 

透「俺は今から『聖王のゆりかご』に殴り込みに行く、ドゥーエとディードは『聖王のゆりかご』付近にいる『機動六課』の救援に回れ」

 

 

ドゥーエ「一人で大丈夫なの?ただでさえ貴方体調が…………」

 

 

透「俺の方に人員を割くより、向こうに割いてからの方がいいだろ………それに俺の眷属化がいつ発動してお前達に危害を加えんとも限らんしな、他の奴にも終わり次第合流するように伝えておけ、頼んだぞ!」

 

 

俺は一方的に指示を出して後、橋の途中まで走り出し、欄干部分を飛び越えようとした。

 

 

透「『口寄せの術』」

 

 

俺は橋から飛び降りながら口寄せの印を組み、アシュロンと九喇嘛を召喚した。

 

 

透「また仕事の頼みだ!九喇嘛は地上にいる敵の排除を!アシュロンはスマンがまた俺の脚となってくれ!」

 

 

アシュロン「気にするな………で、行先は?」

 

 

落下しながらアシュロンと九喇嘛に指示を出し、召喚したアシュロンの背中に乗り遠くの方で浮遊している艦に指を指す…………後ろの方で「狐使いの荒い奴め!!」と声を荒げる狐がいたとかいないとか。

 

 

透「目指すは元凶………『聖王のゆりかご』」

 

 

飛んでいる最中も敵の襲撃にあったが、後ろの方から高密度の魔力玉が飛んできて一掃してくれた………どうやら九喇嘛が『尾獣玉』を放ち援護してくれていた。

 

 

その甲斐あって、俺は難なく『聖王のゆりかご』の甲板に降り立ち、そのままアシュロンに指示を出そうとしたら念話が入った。

 

 

はやて『透君!!聞こえる!?』

 

 

透『おうはやてか、装置を破壊したから問題なく聞こえるぞ』

 

 

はやて『それはドクターからさっき聞いてん!ありがとうな!………て、それもあんねんけど、透君今『聖王のゆりかご』におるん!?』

 

 

透『あぁ、ヴィヴィオを救出しないといかんからな』

 

 

はやて『なのはちゃんが一足先に内部に侵入してん!』

 

 

透『………………判断が早いこって………ハルカや響子も一緒じゃないのか?』

 

 

はやて『ハルカちゃんと響子ちゃんは被害にあった病院でシャマルと一緒に重傷者の手当てと付近の殲滅に当たっとるけど、もうこっちに向かっとるらしいんよ』

 

 

透『どこも人手不足か…………なら俺が入ってなのはの援護に回る』

 

 

はやて『えぇ!?いやそらメチャクチャ有難いんやけど、大丈夫なん?体調とか………』

 

 

透『寧ろ動いていないとおかしくなりそうだ…………『それ』も聞いたのか……』

 

 

はやて『う、うん…………通信が回復したんでクロノ君とカリムに通信しとる時にドクターから……………ホンマに大丈夫なん?』

 

 

透『さっきも言ったが、動いていないとな………………お前も、俺ばかりに気を取られてたらやられるぞ?……………一応そっちにも救援するようにウチのメンツにもさっき指示を出しておいた』

 

 

はやて『そらメッチャありがたいねんけど……………止めた所で、どうせ行くんやろ?…………まったく…………なのはちゃんに似てきてるでホンマ……………』

 

 

透『どちらかと言えば俺に似てきてると思うけどな…………はやても含めて』

 

 

はやて『どういう事や!?』

 

 

透『とにかく俺は入る……………というよりも、もうすぐそこなんだけどな…………』

 

 

はやて『ハァ……もう……………わかった…………でも一個約束して!』

 

 

透『ん?』

 

 

はやて『絶対に!無理せんといてや!!』

 

 

透『…………この敵でか?』

 

 

はやて『うぐっ…………』

 

 

押し黙るはやてに俺は頭をボリボリと掻きながら答える。

 

 

透『………まぁ……………気を付けるさ』

 

 

はやて『っ……………うん!!』

 

 

はやてとの念話を終えると、もう『聖王のゆりかご』の直上に差し掛かった所で、不意に頭に何かが流れてきた気がした。

 

 

???『――――――――』

 

 

透「あ??」

 

 

俺はアシュロンの背に乗りながら、ふと響いた『何か』に気を取られ辺りを見渡す……………が、何も見当たらない…………気の所為かと思った瞬間、突如として頭に響く。

 

 

???『なのはマ……っ…………なのはさんもフェイトさんも、アリシアさんもハルカさんも!それに透さんも!!本当のママやパパじゃないんだよね……………この船を飛ばす為のただの鍵で、玉座を守る……………生きてる兵器…………』

 

 

透「!?………コレは?」

 

 

俺は『聖王のゆりかご』の甲板辺りに飛び降りアシュロンにはやての援護を頼む為、『アースラ』に向かうよう指示を出しながら不意に頭の中に流れる言葉…………幼くも、だが少し大人びているような声色の言葉…………聞き覚えのある声であり、且つなのはの事をママと言いかけたことから推測した。

 

 

透「コレは…………ヴィヴィオの声か?」

 

 

リコ『マスター?どうされました?」

 

 

透「いや、何故か念話をしているわけではないのにヴィヴィオの声が頭の中に流れて……………というか聞こえてくる………それもたぶんだが一方的に」

 

 

ヤクモ『もしや………………………『聖王の眷属』によるものでは?」

 

 

あり得る話だ、ハルの作った薬のお陰で収まったと言っても正確には今も発動中であり、それを無理矢理薬で抑え込んだいる状態だ。

 

 

そして『聖王の眷属』は『聖王』に付き従う存在、それが発動状態だからなのか念話という形で無理矢理俺の頭に流れ込んできているようだ…………その証拠にってわけじゃないが、俺の方からヴィヴィオに念話しても全然応答がない、一方的なもんだった。

 

 

???『悲しいのも、痛いのも、全部偽者の作り物……私はこの世界にいちゃいけない子なんだよ!!』

 

 

透「っ!?………チィッ!」

 

 

正式ではない…………そして義理とはいえ、娘の口から聞かされる内容に俺は『聖王のゆりかご』に侵入しようと『須佐能乎』を右手にだけ発動させ、足元に大穴を開けるように殴りつけ侵入した。

 

 

案の定敵だらけ………………ガジェット・ドローンとSシリーズの成り損ないが多数俺の目の前に立ちはだかる、なのはとヴィヴィオは既に戦闘を開始………………もとい、大喧嘩をおっ始めていた。

 

 

こんな雑魚にグズグズしている暇は無かった、殲滅する暇も惜しい。

 

 

透「邪魔だぁぁぁぁ!!!」

 

 

俺は『天鎖斬月』になり『虚化』を出しながら敵陣の中に高速で突っ込んでいった。

 

 

突っ込みながら手当たり次第に破壊し突き進む、目的地は戦闘が行われていると思われる場所へと………そして目的地が近くなったのを感じたが、目の前にはただ壁が立ち塞がっていたが、今更迂回して扉を探すなんて手間をかけたくなかった。

 

 

ならばとる行動は一つだけ………………ただただ突き進むだけ………The・脳筋の思考回路で『虚化』の『月牙天衝』を放ち『聖王のゆりかご』内部の壁を破壊し、破壊した穴から勢いよく飛び出し『虚化』と『天鎖斬月』を解除する。

 

 

飛び出した瞬間に魔力感知で辺りを探ると、恐らく玉座の間のような場所にポツンとある魔力があったので、そこに顔を向けると………。

 

 

 

長髪の男?が子供を守る様にしている目の前の人物を睨み俺に気付いたなのは…………そして怯えるヴィヴィオ、抱き合っている傷付いた二人に対し手を伸ばしている輩の姿を見て、俺はコイツがヴィヴィオを攫ったのかと確信めいた何かに駆られ、更に………………。

 

 

 

 

 

”ブチッ………………………………………………”

 

 

 

 

 

 

俺の中で何かの………………糸のようなものが切れた音が聴こえた………ような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは Side

 

 

 

 

~『聖王のゆりかご』の『玉座の間』・透が来る数分前~

 

 

 

 

 

やっと見つけ出したヴィヴィオ、私は一人『聖王のゆりかご』の中でヴィヴィオ救出に向かった。

 

 

ヴィータちゃんはゆりかご駆動炉を破壊しようと一人で行ったんだけど途中で新装備のすずかちゃんが合流して一緒に行動をしていると連絡があった。

 

 

ジャミング装置の所為で通信等が妨害されていたけど、すずかちゃんから透君がミッドに到着して『暁』のメンバーと破壊してくれていると言っていた。

 

 

未だ一抹の不安が拭えていないけど、透君が助けてくれていると思い安心した。

 

 

そうして『聖王のゆりかご』の玉座の間に入ると、そこには大人の姿で一瞬分からなかったけど、すぐにヴィヴィオだと分かった。

 

 

大人の姿が『聖王』の状態なんだろうけど、連れ去られてそんなに時間が経ってない筈なんだけど、こちらに敵意のようなモノを向けていた………いや、コレは敵意よりも…………私を遠ざけたい感じ?

 

 

その後ヴィヴィオが攻撃してきた為、止むを得ず戦闘を始めてしまった…………………その間説得を試みたけど、ヴィヴィオの口からは…………今まで溜め込んできた本音が出た。

 

 

 

 

 

ヴィヴィオ(回想)「なのはマ………っ…………なのはさんもフェイトさんも、アリシアさんもハルカさんも!それに透さんも!!本当のママやパパじゃないんだよね……………この船を飛ばす為のただの鍵で、玉座を守る……………生きてる兵器…………」

 

 

ヴィヴィオ(回想)「ほんとのママなんて、元からいないの」

 

 

ヴィヴィオ(回想)「守ってくれて、魔法のデータ収集をさせてくれる人、探してただけ」

 

 

なのは(回想)「違うよ!!」

 

 

ヴィヴィオ(回想)「違わないよ!!!」

 

 

 

 

 

ヴィヴィオ(回想)「悲しいのも、痛いのも、全部偽者の作り物……私はこの世界にいちゃいけない子なんだよ!!」

 

 

 

 

顔や態度には出さなかったけど、ヴィヴィオが今まで悩み、苦しんできたのが聞けれた。

 

 

私は嬉しかったし、何よりわかると思った…………前の…………それこそハルカちゃんや透君達が言うように、仮にこの世界が『物語』という作品なのだとしたら…………私はきっとわかった気でいたんだと思う。

 

 

決して打算でヴィヴィオを引き取ったわけではない…………それはハッキリと言える、だけどヴィヴィオの苦しみを理解出来るのかと聞かれたら…………恐らく…………いや、恐らくじゃない…………わからないと言える。

 

 

なのは「(でもヴィヴィオ…………今の私やヴィヴィオには…………透君がいる…………ハルカちゃんがいるんだよ?)」

 

 

そう、ハルカちゃん達が言う様な『物語』には透君はおろかハルカちゃん達も存在しない、そういった世界だったら私はこの気持ちにはならなかったかもしれない…………わかった気でいたんだと思う、本質的には理解してはいない筈…………。

 

 

ヴィヴィオは造られた存在…………それは透君達から聞かされたからわかるけど、何より造られた存在の苦しみや痛みは…………透君から…………正確にはヤクモ達から見せてもらった透君や透君が見てきたもので痛いほど痛感した。

 

 

だから私は……………………心の底から、ヴィヴィオに言った。

 

 

なのは(回想)「違うよ…………生まれ方は違っても、今のヴィヴィオは、そうやって泣いてるヴィヴィオは、偽者でも作り物でもない…………甘えんぼですぐ泣くのも、転んでも一人じゃ起きられないのも、ピーマン嫌いなのも私が淋しい時に………………いい子ってしてくれるのも、透君………パパに甘えようとするのも!私達の大事なヴィヴィオなんだよ」

 

 

なのは(回想)「確かに私はヴィヴィオの本当のママじゃないけど…………これから、本当のママになっていけるように努力する…………それは透君だって同じだよ!!」

 

 

なのは(回想)「だから、いちゃいけない子だなんて言わないで!!本当の気持ち、ママとパパに教えて!!」

 

 

私は腹の底からヴィヴィオに訴えた、言葉をぶつけた………少し透君を出し(だし)にした感は否めないけど………。

 

 

ヴィヴィオ(回想)「………………いいのかな………私……いても………………………」

 

 

なのは(回想)「いてもいいんだよ………………」

 

 

ヴィヴィオ(回想)「私は……、私はなのはママのことが大好き!!ママとずっと………………パパとずっと一緒にいたい!!………」

 

 

思いの丈をぶつけたヴィヴィオは今、私を見て………………大人の姿なのに、子供の様に泣きじゃくりながら見ている。

 

 

ヴィヴィオ「ママ……………助けて…………」

 

 

なのは「助けるよ………………いつだって………………どんな時だって!!」

 

 

そうやって透君を………………私は助けたんだから!!ヴィヴィオだって!!

 

 

私はレリックを破壊する為に………………そしてヴィヴィオを操っている装置の破壊する為に一旦ヴィヴィオを拘束し、レリックと装置を同時に破壊する位置に移動した…………サーチャーを使って装置の居場所を把握し特定した…………ヴィヴィオもなんとか協力しようとしているのか、バインドを破壊しない様に動かない様にしてくれていた。

 

 

なのは「ありがとうヴィヴィオ……………今助けるから……………防御抜いて、魔力ダメージでノックダウン…………加えてその後ろの邪魔な装置の破壊…………無茶苦茶だけど…………………いけるね、レイジングハート?」

 

 

レイジングハート『いつでもどうぞ!』

 

 

なのは「全力!!全開!!………………………『スターライト………サウザンドォォ……ブレイカァァァァァ』!!!!!!!」

 

 

 

 

 

なのは「ブレイク………シューーーート!!!!」

 

 

私の本気の『スターライトブレイカー』……………しかも進化した『スターライトブレイカー』をヴィヴィオに向けて放った…………も………勿論ヴィヴィオを撃ち抜こうとかまったく考えて無く!!ヴィヴィオを支配していた『レリック』、そしてヴィヴィオを操作しようとしている端末に向けて放っただけ。

 

 

コレは私だけじゃないと思うんだけど、以前の『デビル』との戦いの時に透君から『貸出』で貸してもらった『斬魄刀』の能力を使用してから、砲撃の運用法などが向上して、より上手くコントロール出来るようになったし、『千本桜』のように……………とまではいかなくても、前よりも細かく動かせるようにもなった………………だからネーミングも少し変わった。

 

 

目論見通り諸々を破壊したけど、ヴィヴィオはその衝撃からか元の少女の姿に戻ったけど、『聖王』の状態だったのとさっきの私の『スターライトブレイカー』の余波の所為で色々とダメージが残っていたっぽい。

 

 

なのは「ヴィヴィオ!!」

 

 

私は倒れていたヴィヴィオに駆け寄り、抱き起こそうとした…………………だけどヴィヴィオは、自力で立ち上がろうとした。

 

 

アレは透君を見つける前、ハルカちゃん達とも合流する前の時…………ヴィヴィオが………草むらの上で転んだ時、泣きそうになったヴィヴィオをフェイトちゃんが助けようとしたけど、私はフェイトちゃんを止めた、自分の力で立ち上がれると思ったから。

 

 

その時のヴィヴィオと今のヴィヴィオは違う…………………泣きそうな顔をしているけど、ちゃんとした意思を感じる。

 

 

ヴィヴィオ「強くなる…………約束…………ママ達や……パパみたいに………ね?」

 

 

弱弱しくも、そこにはちゃんとした力強い意志を感じた。

 

 

よろめきながら立ち上がったヴィヴィオに駆け寄り、私はヴィヴィオを抱き締めた。

 

 

こうしてヴィヴィオを救出し、『聖王』という呪縛からも解放……………救い出すことに成功した…………これなら透君だって。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんな安堵した私とヴィヴィオに水を差す人物が…………パチパチと拍手をしながら悠々と私達に向かい歩きながら話し掛けてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

???「いやはや、素晴らしきは美しい母娘愛…………というものだ!………泣かせるじゃない!…………実にイイ!!…………………『原作』通り、良いシーンだ」

 

 

 

 

 

 

玉座の隅の方から突然、白衣を着た、紫の長髪にメガネ……………顔立ちは男性というより、どちらかと言えば女性と思える綺麗な感じが見て取れた………………何より響子ちゃん並の胸部を誇っているし………。

 

 

しかし、このタイミングで現れ、しかも科学者風な恰好で私達の事を『親子』と言った…………………この状況でそんな事を言うなんて可笑しい…………………『原作』というのが何のことかは今の私には想像が出来なかったけど……………。

 

 

なのは「(この人…………………危険だ)」

 

 

もはや本能と言うべきか、科学者風な人を見た瞬間頭に危険と言うアラームのような音が鳴り響く、でも先程の戦闘のダメージもあり咄嗟に動けずヴィヴィオを抱き締めることしか出来なかった。

 

 

???「おや?そんなに怖がらなくてもいいのに…………………すぐに『彼』が来るから」

 

 

そう言いながらその人物は私とヴィヴィオに手を伸ばしてきた…………………『彼』って…………………まさか!?

 

 

 

 

 

 

 

そう思い至った瞬間、私達の後方で壁が破壊される音が”ドゴォォォォォォン!!”と響いた、私はヴィヴィオを守ろうとヴィヴィオの頭を守りつつ、音がした方向を見ると、壁が見事に破壊され大穴が開き、その穴から一人の男性が飛び出してきた。

 

 

 

 

 

 

透君だ。

 

 

 

 

 

その透君が、仮面越しだけど私達を確認したようで、顔をこちらに向けていた。

 

 

”ブチッ………………………………………………”という音が聴こえたような気がしたけど、気の所為かな?と一瞬思ったけど、音の出所を見た瞬間、それは言葉に変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透「おどりゃぁ!ウチのモンに何しょぉんならぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

音の出所は想い人にして、私の彼氏の透君からだった。

 

 

……………………余程キレてるんだろうなぁ……………口調が昔みたいな方言出ちゃってるし……………。

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

壁をぶち抜いて飛び出すと、俺の視界には一瞬判断に困る絵が飛び込んできた。

 

 

ボロボロのなのはと幼女姿ヴィヴィオ → よくわからん科学者風な野郎(?)が手を伸ばしながら近寄っている → 怯えるヴィヴィオを守る様に気丈に振る舞うなのは(←今ココ)

 

 

………………………………おげっ(OK)………………判断に困んねぇわ、普通に分かり易くピンチだわ。

 

 

何よりボロボロな二人はお互いが望まぬ戦闘を強いられ、色々あったんだろう………その果てに本当の意味で助ける事が出来たんだろうに、それに水を差すように割り込んできた科学者風な野郎。

 

 

そして………………傷付いた二人に何をするのかは知らないが、手を出そうとしやがるクソ野郎……………キレる材料としては充分だった。

 

 

俺は盛大に声を荒げ(方言が出たことは意識してない)、床がめり込む位に着地し、それと同時に床を蹴った瞬間に発動させた。

 

 

透「『第六・景門』…………開!!」

 

 

『景門』を開き、強化した身体で一瞬にして距離を縮め、身体を少し捻りながら、右脚を科学者風な野郎に向けて放った。

 

 

???「ようこそ『マダラ』!私は君を「『紫苑脚・金剛』!!!」っっっ!!!」ドゴォォォォォン!!!

 

 

通常の『紫苑脚』よりもワンランク上の強さの『紫苑脚』を敵の腹ら辺目掛けて蹴り抜いた………………確実にクリーンヒットした敵は痛がったり、「ぐはぁぁ!?」とか言うよりも前に思い切り玉座の方に向かい飛んでいき壁ごと中に消えていった。

 

 

俺は『景門』を解除しながら仮面を外し、なのはとヴィヴィオに近付いた。

 

 

透「大丈夫か二人とも?」

 

 

なのは「うん大丈夫……………ありがとう透君」

 

 

透「またえらく派手に大喧嘩したようで………………」

 

 

なのは「にゃははは…………でも……………必要な事だったから」

 

 

透「………………そうか」

 

 

俺はヴィヴィオの方に顔を向け、手を差し伸べる。

 

 

ヴィヴィオ「っ!」

 

 

ヴィヴィオは反射的にビクッと肩を張る、俺はそんなヴィヴィオを無視して………………脳天に軽くチョップをビシッと当てる。

 

 

喰らったヴィヴィオは頭を押さえ「へっ?」と呆けた顔で俺を見て、なのはは微笑んだ顔で俺とヴィヴィオを見る。

 

 

透「今のはなのはママと喧嘩した………………えっと…………アレよ……そうお仕置き的な?」

 

 

なのは「それはもう済んでるよ」

 

 

透「アレ?そうだった?………………なら」ガシッ

 

 

今度はヴィヴィオの頭を鷲掴みにし、グワングワンと揺さぶる。

 

 

ヴィヴィオ「うあぁぁあぁぁ!?!?!?」

 

 

透「ココからは生意気言った事な?誰が兵器だ?誰がいちゃいけないだ?」

 

 

ヴィヴィオ「っ!?」

 

 

なのは「透君………………」

 

 

透「盗み聞きするつもりはなかった…………というよりも、恐らく『眷属化』の副作用なんだろうよ………勝手に念話の様に頭ん中に流れ込んできた………………………いいかヴィヴィオ」

 

 

俺は両手でヴィヴィオの頭をガッシリと掴み目と目を合わせ、少しだけ身体を離した。

 

 

透「んなの全部………………パパの……俺の事だろうが!!」

 

 

ババァン!と自分に親指を突き立てて胸を張る。

 

 

ヴィヴィオ「…………ふぇ?……」

 

 

透「ハンッ!たかだか船を動かすだけの生体兵器ってだけで、仰々しい………………父ちゃんなんかな?生まれた時から戦ってばっかだったんだよ!………………目の前で父ちゃんの家族を殺される無能だったけどな」

 

 

なのは「………………」

 

 

透「そんな父ちゃんは!なのはママ達とガチンコするくらい強い奴なんやぞ!?ヴィヴィオ、お前に出来るか?なのはママだけじゃなく、フェイトママやアリシアママ………他にもいっぱいの人に囲まれても戦うなんてこと!子供だからっていい訳すんなよ?一応父ちゃん、子供の頃になのはママ達とマジで戦ったことあるからな?」

 

 

傍で聞いていたなのはは「アッハハハ……」と気まずそうにしつつ、若干呆れていた。

 

 

透「つまり何が言いたいかってぇと………まぁ大半はなのはママが言ったから略すけど、これからは………なのはママ達をいっぱい信じろ、父ちゃんが保証する!」

 

 

ヴィヴィオ「………………パパは?」

 

 

透「お、俺?俺は………………俺はそんなに「パパも信じていいよ」ちょっと、なのはさん?」

 

 

なのは「自分だけ逃げようとしない!」

 

 

透「ぐっ……………」

 

 

ヴィヴィオ「…………フフフ」

 

 

泣き腫らした顔で、未だぎこちないが笑顔を見せるヴィヴィオ、そんなヴィヴィオを見て俺となのはは顔を見合わせ、ホッとする。

 

 

透「さてと、二人は先に外に出ろ……………」

 

 

俺は怠い身体をヨッコラセと起こし、立ち上がる。

 

 

なのは「え??」

 

 

透「さっきの野郎…………確実にクリティカルヒットした筈なんだが、妙な手応えだった………アレで沈んだとはな………………なんで、なのは……お前はヴィヴィオ連れて避難しろ」

 

 

 

なのは「何言ってるの…………私も戦うよ……………」

 

 

少し膝が笑っているが、それでも立ち上がるなのは。

 

 

透「アホ、ヴィヴィオ居るのに戦えると思ってんのか?それにお前は大喧嘩で消耗している……………」

 

 

なのは「そういう透君も消耗してるでしょ?」

 

 

透「俺はアレ位の強化や『卍解』くらいで「『眷属化』」…………」

 

 

なのは「さっき通信や念話で聞いたよ、一瞬だけとはいえ『聖王の眷属』状態になって、それを防ぐのに薬…………みたいなのを打って、体調不良気味って……………そんな状態で人の事アホって言えるの?だったら透君は馬鹿だよ」

 

 

透「うっわ言いやがるよコイツ……………………確かに体調は全然優れんよ…………とはいえ、尚更お前がヴィヴィオを連れて逃げてもらわんとな……………………俺がヴィヴィオを連れて行くと何処で再発動されるかわかったもんじゃないしな……………………最初からなのはに選択肢なんて無いんだよ」

 

 

なのは「……………………」

 

 

なのは「(言いたい事は分かるし、メチャクチャ言ってやりたいって気分だったけど……………………透君の言う通り、状況から見て接近戦の透君と遠距離の私……………………本当なら二人で組んだ方がいいんだろうけど、それは『ヴィヴィオがいない』時の話であって、今は違う………)」

 

 

透「迷うなって……………………お前が思う『管理局』としての責務を果たせや」

 

 

俺からそんな言葉が出るとは思わなかったんだろうな、若干キョトンとした顔で俺を見ていた。

 

 

なのは「(………私は優先順位を付けてしまった……………今優先すべきは!)……………………一つだけ約束して……………無理は「する」……………………まだ何も言ってないし、しないでよ」

 

 

透「いやするだろ?無理は……………………テメェの女と娘…………両方守るのに……………無理しねぇ男なんて男じゃねぇだろ……………………」

 

 

なのは「何それ……………………」

 

 

ヴィヴィオがなのはのBJをギュッと掴んでくる……………それに答えるようになのはもヴィヴィオを強く抱きしめる。

 

 

???「やれやれ、酷いなぁ…………いきなり攻撃してくるなんてさぁ、私は何にもしていないって言うのにさぁ」

 

 

当然の如く、何事も無かったかのように俺が蹴り飛ばし壁を貫いた奴が姿を現した……………普通無事じゃすまない位の攻撃をしたはずなんだがな…………。

 

 

透「ぬかせ、平然としている奴が何を言うか」

 

 

???「それほどでもないさ♪」

 

 

俺は警戒を解くことなく、目の前の男……………ではなく女を見据える。

 

 

透「……………誰だテメェ………少なくとも奴等のデータベースには見たこと無い面だが……………」

 

 

???「おっと!そう言えばこうやって直接話すのは初めてかな、私が君の事を一方的に知っているってだけだからね」

 

 

白衣のコートを着直し、咳払いし胸に手を当てる女。

 

 

 

 

 

 

 

???「はじめまして、私の名前は『ジェイル・スカリエッティ』………………以後、お見知り置きを」

 

 

 

 

 

 

 

透「…………………………何だと?」

 

 

なのは「ジェイル……………スカリエッティ……………」

 

 

俺となのははより警戒心を高め『ジェイル・スカリエッティ』と名乗った女を睨む。

 

 

透「嘘ならもうちょいマシな嘘つけよ、『ジェイル・スカリエッティ』は大分前に死んだ、しかも奴のクローンを作りだしたなんて情報も無いしな」

 

 

ジェイル?「あぁ………確か情報屋の元局員の娘の……………確か名前は『ミーシャ・マクウェル』だったかな?確かに彼女のレアスキルならわかるかもね……………まぁ細かい事はいいじゃない♪」

 

 

透「随分と軽いし気安いな………しかしまぁ、もうヴィヴィオを『聖王』には出来んぞ、ここにいる高町なのはがレリックを破壊したし…………『聖王のゆりかご』を操作する為の奥の制御装置もな、結果俺も操られないというわけだ…………あとはテメェをとっ捕まえるか倒すだけだ」

 

 

ジェイル「そうかもねぇ…………そうなるよねぇ、でも新しいレリックを用意すれば済む話だし………何より君達に私を止められるのかな?」

 

 

俺は右足を下げ半身構えで、顔はジェイルと名乗った女に向けたままなのはに声を掛ける。

 

 

透「ココは俺が何とかする………………今感知したけど、この部屋の外の通路にはやてやヴィータ達が来ている………………合流してヴィヴィオを連れて退避しろ」

 

 

なのは「だったら余計にヴィータちゃん達と協力して!」

 

 

透「さっきアイツも言ったろ?レリックを使われたら、今度こそ俺もその娘も堕ちる………………そうなったらお前達に勝ち目は無いだろ?………………それに、たぶんはやて達もかなり消耗しているはずだ………」

 

 

なのは「……………………なら…………………ちゃんと戻ってきて……………………何処かに……………………行かないでね?」

 

 

透「そうする……………………もう追い掛け回されたくねぇしな!……………………さぁ、行け!!」

 

 

そう言うと、俺はなのは達の前に立ち構えを取る、それと同時になのははヴィヴィオを抱き抱え俺が『月牙天衝』で破壊し出てきた穴を通って『アースラ』を目指して飛んだ………………どこかしらではやて達と合流するはずだ。

 

 

俺は魔力感知で確かめつつ目の前の敵、『ジェイル・スカリエッティ』と名乗った女から目を離さなかった。

 

 

透「随分とアッサリ見逃したな」

 

 

ジェイル?「ん?………あぁ………まぁあぁ言ったけど、実際もうヴィヴィオちゃんには『用は無かった』んだよね」

 

 

透「………………何?」

 

 

ジェイル?「目下の私の目的は………………君の排除かな」

 

 

涼しい顔で物騒な事を言って来た、というかヴィヴィオは用済みとは………………まさか!?

 

 

ジェイル?「あぁ!安心していいよ!別に爆弾を仕込んでるとか無いから」

 

 

透「だったら………………」

 

 

ジェイル?「それは勿論、君が邪魔だからかな………………君って『この世界に転生してきた』のに、私の邪魔ばかりするんだもん………………いい加減ウザいって思ってねぇ」

 

 

透「………………………………は?」

 

 

ヤクモ ライラ リコ『『『!!??』』』

 

 

ジェイル?「まぁこのまま何もしなくても本当はいいんだけど………………そうすると私の腹の虫が収まらないし………………立つ鳥跡を濁さずって言うじゃん?君は排除してオサラバしたいなぁってさ」

 

 

透「いや待て………………お前さっきから何言って………………もしかして…………お前!?」

 

 

ジェイル?「君を排除って言ったんだけどさぁ………………私が手を下すんじゃなくて、この人達に任せようかなって思ってね………………というわけで、お願いします」

 

 

ジェイルと名乗った女は恭しく頭を下げ道を開ける。

 

 

すると、俺が女を蹴り飛ばした穴の中からガチャガチャと音を立てながら、複数の足音が聴こえ……………『3人の男達』が姿を現し………………俺はより戦慄し、体調が優れない身体に無理矢理鞭打って、警戒を高めに高める。

 

 

 

 

 

 

 

透「コレは……………………色々いかんな」

 

 

俺は苦笑いしながら、相手を見据える………………体調面を無視しても、ヤバ過ぎる相手だったからだ。

 

 

 

 

 

 

『うちはマダラ』

 

 

『クリア』

 

 

『戸愚呂・弟』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

 

またも大変長らくお待たせして申し訳ありません!!!

 

 

ハーメルン様とpixiv様で、申し上げましたが………………お盆中に最新話を投稿すると豪語したのに結局過ぎてしまい申し訳ありません!!

 

 

 

 

 

今回は前半はテスタロッサ姉妹回、そして後半はなのはとヴィヴィオの母娘回となってしまいました。

 

当初はココまで深堀り(?)する予定では無かったのですが、書いているうちに頭に浮かび、書いては浮かび書いては浮かびを繰り返してしまいまして………………結果こうなりました………文字数も多くなってしまいました。

 

 

アリシアとフェイトのツープラトンも出来て私は満足………………あと、アリシアの最後の顔は……………続ければ伏線となります………………本編にはあんまり関係しませんが。

 

 

 

 

 

ラストの三人は、『NARUTO』と『金色のガッシュベル』、そして『幽遊白書』からにしました。

 

こちらは最後の最後まで悩みまくり、マダラとクリアは確定していましたが、最後の一人はどうしようかメチャクチャ悩みました。

 

女性にしようか男性にしようか………………女性だったら誰だ?男だったら尚誰だ?と………………結果こうなりました。

 

 

 

 

次回はもしかしたら少々少な目になるやもしれません……………だからといって早く投稿出来るとは………頑張ります!!

 

なんせ次回は節目というか………………色々やっちゃうかも………………。

 

 

 

という事で、次回もお楽しみに!!!

 

コメント・応援メッセージ等もお待ちしております!!

 

 

 

 

 

 
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